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11月

「13日で、台風19号から1か月になる。」
ネット上の記事でその一文を目にしたとき、一瞬不思議な気持ちに襲われた。
「え、もう一か月?」という思いと「え、まだ一か月?」という思いが、ほぼ同時に起きたからだ。

19号のみならず、その後にも続いた集中豪雨。
日本海沿岸部を襲った数知れない氾濫、洪水。
2011年の津波被災を受け、ようやく復興の緒に就いた自治体にもいくつも被害が出た。
千葉はやはり15号で被災したところも含め、さらに多くの被災地域を生んでしまった。
僕が住むここ、世田谷でも、多摩川の氾濫による浸水被害が出た。
隣接自治体である狛江市や川崎市でも、浸水地域が出た。

福島は、除染が終わり、ようやく戻ってこられたと思ったらこれだ。
除染したのは人が住む周辺だけで、大部分を占める山や林の中は除染を行っていない。
大雨で、その汚染土が除染した住宅地に流れ込んだ。
原発から汚染水が流出したという報道もあった。
福島では農協や漁協が線量を測って安全を確認してから出荷しており、
出回る商品の品質に問題はなかろうが、
これを機にまた風評被害が出るなどということだけはあってほしくない。

都市文明が自然の前では全くもろいことをまざまざと見せつけたのが、タワーマンションの被災だった。
電源設備の心臓部が地下にあり、それが浸水して壊滅してしまった。
タワーマンションは、電気がないとその機能はほぼ停止してしまう。
電気機器が使えないのはもちろん、水を屋上にポンプでくみ上げてその水圧で各階に流しているため、
組み上げられなければ完全にアウトとなる。
水が流れないということは、トイレもアウトだ。
エレベーターもアウトである以上、最上階に住む人は階段で水運びをしないといけないことになる。
中には40階を超える高層マンションもある中で、だ。
家の中には全く被害がなくても、ライフラインがアウトならば、
ある高さ以上に住む人は実質的にそこには住んでいられないだろう。

こうした事態に、一部の人たちは「いい気味」だとばかりにネットに書きつけたりもしたと聞く。
タワーマンションに住む人たちに対するやっかみが、背景にあるのだろう。
人の不幸をあざ笑うような仕打ちには腹が立つし情けなくもなるが、
それを書いた人たちの個人的な趣味や性格の悪さとばかり言っていられないとぼくは感じている。
広がる経済格差、それを個人の責任とするような社会的風潮、
これは政治の問題だと真正面から問うのは一部のジャーナリストやマスコミで、
多くは「勝ち組」「負け組」という言葉を使いそれをあおっている。
実際、タワーマンションに住む人の中には、俺たちは勝ち組だと思っている人もいるのかもしれない。
そんな人が困ったときに、それこそ高いところまで水や買い物を運ぶのを手伝いましょうかと伝えたら、
勝ち負けだけでは人の価値は測れないことを実感してもらえるのでは、とも思う。

さまざまな被災地に入ってきたから感じていることがある。
日頃隠されている問題は、被災すると噴出する、ということだ。
今回の被災した状況から、学ぶことは数えきれないほどある。



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