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9月

2016年09月09日
8月末から9月初めにかけて、熊本にプレーカーを届けに行ってきた。
プレーカーとは、とても楽しげに明るくペイントされた、
日本冒険遊び場づくり協会がつくる遊び道具を満載した軽のワンボックスカーの総称で、
初めて走らせたのは東日本大震災後の仙台だった。
東北での活動に関する報告は、これまでもしてきたところだ。
今回の地震を経て、地元の人と話し熊本にもそれを贈ることに決め、ずっと準備を進めてきた。
夏休みに間に合うようにとの思いは叶えられなかったが、晴れて引き渡すことができた。
熊本のプレーカーは、「おもしろかー(熊本弁で面白い!という意味)」と名付けられた。

引受先は、6月にも報告した「IPAくまもと」だ。
贈呈式を保育園で行い、その後プレーキットを出し、その園の園児たちが遊んだ。
車の鮮やかさに加え新品のプレーキットも色鮮やかで、明るい雰囲気に大きく一役買っている。
遊び方を次々発明しながら、幼児たちは1時間以上、たっぷりと遊んでいた。
それを見ていた取材陣は、「こんなに楽しそうに遊ぶのですね」と感想をつぶやいていた。

さて、実は熊本に入る前日、ぼくは気仙沼にいた。
そこで撮ってきた写真がある(2016/9 南三陸の防災センター)。
以前に、南三陸の防災センターのことを書いた。
3階建ての最上階で、迫りくる津波からの避難を放送で呼びかけ続け、
自身が波にのまれて亡くなってしまったというあの防災センターだ。
地面から見上げると、3回をさらに超え、屋上も飲み込んだ跡がくっきり残っている。
そこが、地面のかさ上げ工事ですっかり谷間になってしまったと報告したが、あの時、写真がなかったことが悔やまれていた。
それは、文字だけではおよそ想像がつかないだろうと思っていたからだ。

かさ上げ工事は、さらに進んでいた。
しかし、何度も言うようだが、一体あそこに住めるようになるまで何年かかるのだろう。
それを三陸町民の何人が待っているというのだろう。
かさ上げの石を見てわかるように、山を切り崩して運んだ大小の土砂をそのまま使っている。
大雨が降った後の地震で液状化が起きないと、絶対に言えるのだろうか。
さらに加えて、9メートル近い「防潮堤」だ。
大きく変化するふるさと。
そこに住む方々の声なき声は、だれが、どのように聞いているのだろうか。

「おもしろかー」贈呈式の様子は、日本冒険遊び場づくり協会の公式サイトにアップされています。
また、このプレーカーを贈るための目標金額にまだ届いていないため、引き続き募金も集めています。
目標達成するのを待っていたのでは時期が遅れてしまうため先に贈りましたが、そのご協力もまだまだお願いします。