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2月

2015年02月02日
今日2月1日、午前5時ころ、後藤健二さんが殺害されたという動画が投稿された。
後藤さんは、ぼくと同じ大正大学の子どもコースで講師を務めた人だった。
中東の子どもたちや女性がどのような状況にあるか、熱心にそれを伝える人だった。
例えば日本では伝えない、
アメリカの空爆による被害の惨状も含め、国や勢力からの中立を守った講義だった。
立場はそこにではなく、純粋に子どもと女性の立ち位置だったのだと思う。

憎しみは憎しみしか生まず、暴力は暴力しか誘わない。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
ノーベル平和賞にもノミネートされた、有名な日本国憲法第9条だ。
国際紛争解決の手立てとして、武力は永久に放棄する。
この理想が、70年にわたる平和という世界に類まれな国、日本を支えてきた。
憲法改正の声も上がる中、
こうした事件が、「だから武力行使ができる国へ」との流れに利用されないか心配だ。
それは、後藤さんの意思とは真っ向からぶつかる視点だ。
そんなことに利用されようものなら、彼は本当に浮かばれなくなってしまう。

東北の震災後、世界が本当に驚いたシーンが当たり前に繰り広げられた。
列を作って配給を待つ人々、整然とした避難所生活。
略奪や暴動のシーンとはおよそかけ離れた報道映像に、世界中が感嘆した。
日本人としては普通の感覚。
それが平和からもたらされていることを、どのくらいの人が自覚しているのだろう。

先日、陸前高田で見た光景。
山から土を削り、あの広い平野を丸ごと10メートルほどかさ上げするのだという。
その光景がすさまじい。
山に直接ベルトコンベアを取り付け、
途中で分岐させそのまま町中に土を運び落とすというもの。
はるか頭上に、総延長3キロに及ぶベルとコンベアが出現している。
1日、10トントラック4000台分もの土が運ばれるのだという。

人間の力は、すさまじいと思った。
その力の使い道によっては、地球規模で破壊を招く。
後藤さん、見守っていてください。