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9月

2019年09月13日
いつも楽しみで録画しているEテレのサイエンスゼロ。
9月1日に放送された特集では「活断層」を取り上げていた。

阪神淡路大震災(1995)、新潟中越地震(2003)、熊本地震(2016年)、北海道胆振東部地震(2018)
…直近で起きた活断層地震はこれらなのだという。
この日の番組は、これらのうち熊本地震の後に行われてきた調査をもとに、
活断層について分かった新たな知見を中心に構成されていた。

その詳細をここに記すつもりはないが、印象的だったのは、
活断層があれば、その周辺の建物は全体的に危険である、ということではないことだった。
大きな被害を広範囲に起こすとき、震源は活断層内でも往々にして深いそうだ。
その震源を中心にして円を描くように揺れが広がっていくため、表土が広い範囲で揺れる。
この場合は、同じ断層でも表土に近い断層は特に影響なく、
なので断層上に立っている建物だからと言ってことさら被害が大きいわけではないらしく、
従来こっちの地震が一般的だったようだ。

しかし、熊本のように断層面が地面にはっきり現れるいわゆる地割れが生じる場合は、そうではないらしい。
一度深い震源でずれ、そのずれがさらに浅い部分の断層自体を暴発的にずらす場合、
その時に限って地割れが生じるのだという。そして、そういった地震はむしろまれらしい。
だから、地震に地割れはつきものかと思っていた僕は少し驚いた。
そして、今回震度7を記録し、建物に大きな被害が出たところは、
この地割れの場所とはっきりとした相関関係があったとのことで、
むしろ専門家にすればこれが新たな発見だったらしい。
今回熊本地震で動いた断層は、連続してつながっている1本の断層の真ん中から北側にある
「布田川(ふたがわ)断層」で、その南側の「日奈久(ひなぐ)断層」は全く動いていないのだという。
つまり、今回の地震でその南側の断層はさらにひずみをためているはずだということで、
明日地震が起きても不思議ではないらしい。

日本には、発見されているだけで2000を超える断層があるという。
政府が力を入れて調査している断層はそのうち100程度らしいが、
それも都市化が進みビル等が建ち、調査自体がままならない状況だと学者は話していた。
司会の小島瑠璃子が「断層がどこにあるかも、それがどう動くもわからない状況で、
何をどう注意したらいいのか…」と水を向けると、
学者も困惑気味で「家具を動かないように止めるとか…当たり前の話なのですが」と言いつつ
「火事を起こさないようガスを止める」とも話していたことにまた少し驚き。。。
(今はガスは自動切断されるから。
そんなことしているより建物のひずみに閉じ込められないよう避難路を確保しろ)
などと、思わず心の中で突っ込みを入れていた。
いつも明るい司会のこじるりが、心なしか番組終了時に不安そうな表情だったことがとても印象に残っている。