本日 100 人 - 昨日 56 人 - 累計 135526 人
RSS

12月

2018年12月12日
前回、北海道胆振東部地震でのぼくの友人の活躍に触れた。
その彼が話してくれたことに、いくつか大きく印象に残っていることがある。
あの地震で発電所がダメージを受け、直後から北海道全域が停電となった。
数日で復旧したところもあるが、復旧まで数カ月かかった地域もある。
北海道全域が、電気から切り離されたのだ。
そうするとどういうことが起きるか。

まず、テレビがつかない。
ニュース等から、この北海道で一体何が起きているのかという情報が入らない。
ネットは、というと、これも通信基地が停電しているので見られない。
スマホも、その時点での充電が切れたら使えなくなってしまうのだ。
つまり、情報通信から完全に遮断されてしまうことを意味している。

さらに、北海道は広い。
2時間くらいで着けるところは「近い所」だという。
その分、当然だがガソリンがいる。
そのガソリンを地下貯蔵室からくみ上げるポンプが動かない。
どこが無事で、どこまで買い出しに行ったら何が調達できるのか、皆目わからなくなったのだという。
電気をはじめとするエネルギーから、北海道は一時完全に孤立したと、彼は行った。
北海道が道ごと孤立!
考えてもみなかったことだった。

翻って、都市部でもし電気が使えなくなったら・・・
都市部は、狭い面積に大勢住んでいるから、住居は勢い縦に延びるしかない。
高層のマンションだ。
高層に限らず例えば4階くらいの低層でも、そこで使われている水は全て
一度ポンプでくみ上げられ、上からの水圧で流れるようになっている。
流しの水はもちろんだが、風呂もトイレもだ。
つまり、よほどグレードが高く自家発電の施設を持っているマンション以外、
電気が使えないだけで流しも風呂も、何とトイレさえも使えなくなってしまうのだ。

それどころではない。
高層階のマンションは今はもうほとんどIHだろうから、冷凍したものを温めることも困難だ。
もちろん冷蔵庫も使えないので、冷凍食品は早く食べないと腐ってしまう。
高層階に住んでいればいるほど、例えば水の配給を取りに行かなくてはならない時、
何十階分も階段の上がり降りをしなくてはならなくなる。
もっと大きく見れば、電車は動かず信号も止まる。
想像したらいくらでもこんなことは出てくる。
北海道のように広くはないので、車で脱出というのはあるかもしれないが、
電気が止まるという想定だけで暮らしが完全にマヒすることが見て取れる。

被災被害は、ぼくたちのこの「便利な暮らし」が大きくしているのかもしれない。
それでも来年は、今年のようにこんなに災害がなければいいと願ってしまう。