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5月

2018年05月11日
5月3日、ハワイ島キラウエア火山が噴火した。
気になって調べたら、結構頻繁に噴火し、その都度それなりの被害が出ていることを改めて知った。

ハワイ諸島は新しい火山列島だという事は知っていた。
年間で数センチ、日本列島に近づいていることも。
今噴火しているキラウエア火山の下にホットスポットがあり、プレートをぶち抜いて噴火する。
噴火が収まり長い年月のうちにプレートが日本側に動き、数万~数百万年後にまた噴火する。
そこに、新しい噴火から生まれる島がまたできる。
それを繰り返してハワイ諸島が生まれたのだと考えられている。
なので、諸島の日本側に行くほど島の年代は古く、風化にもあいそのうち海に沈んでしまう。
けれど、海の中にはその残骸である山の頂が点々と続いており、なんとそれは「天皇海山群」と呼ばれているそうだ。
歴代の天皇の名前が付けられているのだというが、由来は知らない。
ハワイ島は、海上に露出した火山としては諸島の中で最も新しいものだが、
新たな噴火口が日本と反対側の海の中にあるらしい。
いずれはそれが海上に露出し、ハワイ島は2番目に新しい島となるのだろう。

地割れが起き、そこかしこから溶岩が流れ出ているようだが、
キラウエア火山の噴火は日本の火山のように爆発的には起きないらしい。
なので、溶岩流に直近まで近づくことも可能で、それが観光資源ともなっている。
溶岩流は、女神ペレの気持ちの表れだと、ハワイの人は考えているのだそうだ。
なので、住宅に向かっていく溶岩の流れを変えたり、妨げたりすることは
その気持ちや意思に反することであり、とんでもないことだと考えているらしい。
地元の人は、結構さっぱり受け止めている感じのようすがニュースから見て取れる。
ここに、自然を制御の対象とするか、それとも受容しようとするかの世界観の違いが見て取れる。

東北を襲った津波。
その復興のために巨費を投じ、巨大な防潮堤を築きかさ上げ工事を行っている。
決して少なくない人たちは、そんなやり方ではなく、とにかく高台に逃げる道の整備や方法の確立を望んでいた。
前者が制御で、後者が受容の考え方だという事は、すぐにわかるだろう。
どちらがいいのか、それを十分に話し合う機会を持つことはあまりなかったように感じている。
予算を付けるためにはこの時までに返事をという期限が切られ、
申請しなければ予算は付かないという脅しとも感じられる中での決断だったという印象だ。

最大級の防潮堤があったからみな大丈夫だと思い、海が見えなかったがゆえに
それを超える津波が来て初めて現実を知り、手遅れとなった町があった。
自然は、いつだって人の発想を超える。
それを制御することが「文明」というものであるならば、そこには限界があることをもう気付いていい時だ。
ハワイの人々から学ぶべきことは、決して小さくはない。


4月

2018年04月12日
今日は11日。
「歌おう、ふるさと」との呼びかけからも7年以上たつが、今日も羽根木プレーパークでは「ふるさと」が歌われた。
ぼく自身は今日は行かれなかったが、いつも来るメンバーが来て、そこにいる人たちに呼びかけて歌ったと聞いた。
東北の方々との連帯を、という思いと、3月11日を忘れない、という思いと、
その両方からぼくが呼びかけたのが「歌おう、ふるさと」だった。
そのため、ぼくが直接参加する世田谷でのみ今でもこれが続いているのではないかと思っていたが、
実はそうではなかった。
前月の11日には山形にいたことを報告したが、東根市にある遊び場「あそびあランド」でも、まだ続いていたのだった。

事務局長の村山さんが呼びかける。
そこにいた人たちが輪をつくり、20人ほどで歌い上げた。
実際、福島の人を中心に多くの被災者を受け入れてきた山形県。
あそびあランドは誰でも来られるし、いちいち入園のために名前も書かないから、どこの誰かはわからないことも多い。
ひょっとすると、その歌を歌っている方の中にも
被災し避難してきた方もいらっしゃる可能性もないとは言えないその状況に、
ぼくの心は、実は少しざわめいていた。

帰還が始まった地域もあるが、除染が進まず、まだその予定が全く立たない地域がある。
「ウサギ追いしかの山 小ぶな釣りしかの川」
自分が育った、美しい故郷の風景。
初めて東北に入ったときの気持ちを思い出す。
「ここには、日本人の原風景がある」。
しかし、実際にはそう簡単には戻っては来ない「ふるさと」の現実。
そこに想いを馳せるという事は、その方たちにとってはどういうことを意味するのか。
おそらくは、同じく被災され避難した方でも、一人一人が違うのだろう。
それでも、外の人間では決して推し量ることができない何かを、その人たちは感じているのではないだろうか。
そう考えたとき、改めて「ふるさと」を歌うことの重みを感じた。

前にも触れたが、今はもう、決して忘れない、そのためだけに歌っている。
「そんなことはやめてください。私たちがどんな気持ちになるか、迷惑なのです。」
そうメッセージをくださった方のことは、ずっと忘れないできた。
その声を押しても歌ったことに対する重み。
改めて、それをかみしめることができた「あそびあランド」での時間だった。

3月

2018年03月15日
3月11日、7回目の命日を迎えた。
特別な思いで過ごされる方が相当にいらっしゃることを思うと、
この日を迎えることをどう言葉にしていいのか思わずひるんでしまう。
そんなことを考えていたら、今回この原稿は、その11日までに書くことができなかった。
けれど、おかげで、10日は福島、11,12日は山形と、いずれも東北で過ごすことができた。
今回は、その福島でのことを書こうと思う。

福島へは、「子どもが自然と遊ぶ楽校ネット」というところからの招聘で行った。
福島県下で、自然との触れ合いを推進する7団体が組んだネットワークだ。
そこが主催するシンポジウムの冒頭で、体力測定が、福島の子が全国ワースト1だったという報告があった。
測定すれば値が出るので、普通に考えればベストとワーストはどこであれ必ずあることになる。
けれど、福島がワーストだったことが原発事故による外遊びへの影響が原因だとすれば、これは特別な理由だと言える。

原発事故以降、外遊びは当然ながら厳しく禁じられた。
そのことによる、身体だけではなく心に関しても健康被害が出るのではないか。
その心配から、小児科医を中心にプロジェクトチームがつくられ、屋内でも十分に遊ぶことができるよう
郡山にペップキッズという大きな屋内遊戯施設がつくられた。
大きなボールプール、中に入って全身でコロコロ転がす透明なビニル製巨大ちくわのような遊具、
室内砂場、空気で膨らんだ道ではボヨンと一歩が大きく跳ね体が軽くなった感覚になる。
その他にもさまざまな遊具があり、屋内でこれだけの運動量を保障できることに驚くほどだ。
しかし、ペップキッズの生みの親の医師も、その屋内遊戯場を作ったボーネルンドの人も、
やはり屋内には限界があると話していた。
このネットワークは、その不足している屋外という環境をずっと大事にしてきたメンバーたちだ。

けれど、福島という地では、やはり親は外遊びの奨励には勇気がいるという。
服締めであっても、他と比べても線量が低いところはたくさんある。
逆に、福島以外でもホットスポット(局所的に線量が高い所)は近県にたくさんある。
そこに住む人たちは、もっと警戒が必要だと思うのに意外なほど気にかけていなかったりする。
また、これは福島に限ったことではないが、そもそも今の子の多くは外遊びをしない。
福島だから、むしろ外遊びがないことを意識し気にするのかもしれない。

「ふくしまっ子リフレッシュin世田谷」という取り組みが、世田谷では続いている。
年に2回、福島の親子を招待し、羽根木プレーパークで遊ぶことをメインに、様々なプログラムで楽しんでもらっている。
この3月30日から4月4日にかけてもやってくる。
「泥んこになることをこんなにも嬉しく安心してみていられる」そう言って涙ぐむ親も多いと聞く。
7年たったが、まだ決して始まっていないことがある。

2月

2018年02月09日
2月6日から降り始めた大雪は、一気に福井市一帯を埋め尽くした。
7日8日にかけ、国道8号線では最大1500台もの車が立ち往生し、電車も含め交通は完全にマヒした。
7日、福井市、あわら市、坂井市に災害救助法が適用され、自衛隊が昼夜を問わずその復旧に当たっていた。
除雪車すら出動が難しいほどの降雪量で、行く先を閉ざされ、
にっちもさっちも動けないドライバーたちは、さぞ心細い思いをしていたのではないかと思う。
何とか8日中の復旧にめどが立ち、胸をなでおろした人も多かったのではないだろうか。

もちろん、そこに住まう方々はさらにだろうし、今もそれは続いている事だろう。
先日の東京での大雪の時に、ぼく自身も経験した屋根からの落雪。
玄関前の路地を除雪し、出かけて帰ると大量の雪が溜まっていた。
もしこの時下にいたら、そう思ったら背筋が寒くなったことが記憶に新しい。
落雪の下敷きになる恐ればかりではなく、過疎で高齢者ばかりのところでは、
雪下ろしそのものができないための住居自体の破損、倒壊などだって考えられる。
さらにその後は融雪による雪崩、洪水…気が抜けないことが次々だ。
そのすべてが災害につながっていく。
日本海側のこの豪雪は、昨年末からその危険性を予報する研究者がいた。
対馬暖流が通常より暖かく、日本海が温まり、雪雲の発達が予測されていたからだ。

一方、日本全土に及ぶこの大寒波、豪雪は、黒潮の大蛇行と深く影響しているのだという。
黒潮の研究者の中には、昨年夏から今冬の大寒波、豪雪を予測する人がいたというから驚きだ。
黒潮の大蛇行で太平洋側に南岸低気圧が生まれやすくなり、南岸低気圧は寒気を引き込む。
なので、南岸低気圧が発生した場合、関東地方でも大雪となることが多いのだという。

黒潮の大蛇行は、漁場に魚がいなくなることを意味し、不漁となっている。
それに端を発する今冬のこの大寒波、豪雪は、農家を直撃し、野菜の高騰を招いている。
その結果として降った豪雪は、今回のように流通そのものまでかく乱した。
これらは、ぼくたち消費者も直撃している。
生鮮物はこの3日間というブランクを受け、店頭への出荷が困難となったものも少なくないのではないだろうか。
雪に閉ざされた街のコンビニからなくなったお弁当やおにぎりなども、恐らく未だ配荷できる状況とも思えない。

「異常気象」といってしまえばそれまでだが、海流と気象、地形は密接に関係しながら生み出されている。
地球はやはり生きており、自然災害はそれゆえに起こるのだが、
人がそこに不用意に手を出すことで拡大することは避けなくてはならない。

1月

2018年01月11日
年が明けた。
あの震災以来、7回目の正月だった。

実は前月、つまり2017年12月だが、この原稿を初めて入れられなかった。
ブログへのアップはぼくの若き友人に頼んでいるのだが、その友人に原稿を送っていなかったのだ。
書き忘れていたわけではない。
原稿は書き、そしていつものようにアップのお願いをするメールに添付して送ったのだが、
写真を一緒に添付したことで容量が大きくなりすぎ、結果的に送っていなかった。
それに気付かないままでこの間を過ごしてしまったというのが事の真相で、
何ともうかつな話で正月早々それに気づきちょっとショックを受けている次第だ。
まぁ、時を取り戻すことはできないので、今回は2回分をアップしてもらうようお願いし気を取り直していきたい。

今日、1月9日付の東京新聞に「11府県が拠点病院未指定」という見出しの記事があった。
読むと、原発の事故で被ばくした患者を受け入れる「原子力災害拠点病院」の指定を国が義務付けているのだが、
それが指定されていない自治体が11府県あるという内容だった。
その理由がなかなかうける。
「被ばく患者を受け入れる風評被害の恐れ」
「ほかの患者に敬遠されないか」
「院内の設備に放射性物質が付着しないか不安」
HIV患者とは話しただけでエイズが移る、そのくらいバカげた理由で医療関係者が躊躇している?
そんな非科学的な偏見は率先して払しょくするべき立場にあるだろう医療機関が?

原子力規制委員会が再稼働条件をクリアしたとした柏崎刈羽原発がある新潟県では、
指定のめどさえ立っていないのだとある。
その理由は
「線量測定器や防護服が足りていない」
病院が指定を受けるためには、専門知識を持つ医師、看護師のほか
除染室や内部被ばく測定機器の設置が必要と書かれている。
しかも、事故後は被ばくの恐れのある住民らを原則すべて受け入れることになっているらしい。

こんなこと、一病院の努力で可能なはずがない。
福島第一原発が爆発した後、一体どれだけの人数の町村民が避難したと思っているのだろう。
そのほとんどが「被ばくの恐れ」がある人たちだ。
その全員を受け入れることができる病院はもちろん必要だが、そんなものは一つや二つで済むはずはなく、
恐らく県内の救急病院はすべて指定するくらいでなければならないだろう。
国は、あるいは電力会社はそのための予算をしっかりとっているのだろうか。
原子力規制委員会は、なぜこの指定ができてない地域の原発を再稼働条件が整っているとするのか。
まるで謎だらけだ。
「人災」の火種がここにもあることを教えてもらった。

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