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11月

前月、「今年の秋は台風が多いようだ」と書いたが、多いどころではなかった。
とにかく、今まで来ていたものとは一回りも二回りも強い!
940ヘクトパスカルなどと聞くと、ここは熱帯かと思ってしまう。
最強のものは、910まで下がった!
前例のない雨量に、伊豆大島は甚大な被害を受けてしまった。
何百何千年とかけて堆積した火山灰の層が崩れ落ちたのだというから、これは防ぎようがない。
ただただ、伊豆大島の方々の復興を願うばかりだ。

この一か月、日本冒険遊び場づくり協会が行ってきた復興支援事業に、大きな転機が来た。
これも前月に触れていたが、
ユニセフと復興庁の両方から資金を得られることが、正式に決まったのだ。
東北支部を本格的に設立し、現地スタッフを現在のひとりから5人に暫時増やしていく。
プレーカーを4台に増やし、岩手、宮城、福島にそれぞれ1台走らせることができるようにする。
福島は県が屋外遊び場づくりに積極的で、線量とにらめっこをしながら候補を探している。
子どもが外で遊ぶことの重要性がこうした事態を通じてでなければ認識されなかったことは残念だが、
それでも遅まきながら、やっと認識されたことは大きな朗報だといえる。

千代田区で、ボール遊びができる公園を条例で定めることにしたという。
今の子どもの親が子どもだった頃と比べ、全てにわたって運動能力が低下していることが分った。
体力低下の原因は、外遊びの減少だとの報告が次々と挙がっている。
そうした状況下で、千代田区は条例化を決めたのだと言う。
つまりは、そこまで子どもが追い込まれ、ようやく思いこそを上げたということになる。
まさに、子どもが「身をもって」訴えたのだといえる。
でも、大人たちは、なぜそこまでの事態に至らなければ動けないのだろう。
いや、千代田区の例も全国では非常にまれなケースだ。
だからこそ、ニュースとして取り上げられることになる。
これを、レアケースとしてはならないと強く思う。

気仙沼の遊び場ができたときの、そこを走る子どもの身体の違和感。
まっすぐにバランスが取れていないその身体は、震災以前から遊んでいなかったことを示していた。
木の枝から吊るされたロープを握ってけりだすターザンロープも、胸の前で握っていられない。
なので、ずり落ちてしまうのだ。
転んでも手をつけない。
とっさの時に体が動かない。
気仙沼の子どものそんな身体は、しかし、遊び場ができて3ヶ月後には野猿のようになっていた。
子どもの身体は、変化が早い。
自由に動き回れる身体を手に入れたとき、心が受けるストレスも、大きく軽減されていく。
身体とこころ、その両面の発達に「外遊び」は不可欠であると、
ユニセフ、復興庁から資金が得られたことを大きな機会として、これからも発信し続けたい。


あの暑かった夏が嘘のように、この半月ほどの朝晩は涼しくなっている。
先日、仙台に住む友人が、「もうストーブたいたよ」と言っていた。
けれど太平洋の海水温の高さはまだ続いているようで、
それに熱せられた空気が上昇気流をつくるため、今年は例年より台風が多いのだという。
今週も、台風24号が列島に上陸するかと言われている。
以前あった青森のリンゴが大被害を受けた台風と、ほぼ同じコースをたどるのだという。
自然災害は、何度経験しても避けることができない。
ただ「無事であれ」と願うばかりだ。

被災地の子どもが少しでも元気になったら。
ぼくたち日本冒険遊び場づくり協会は、そうした思いで気仙沼の遊び場をつくり、
そして遊び道具を積んだ「プレーカー」「アソボッカー」という2台の軽自動車を走らせてきた。
それが、復興庁の目に留まり、モデル事業としてこのたび採択されることとなった。
それとはまったく別に、日本ユニセフ協会も協力に名乗りを上げてくれており
こちらはすでに1年前から支援を開始してくれている。
子どものことをするユニセフだが、国内の問題に取り組むことは初めてだという。
海外には生死さえ脅かされている子どもが無数にいるのだから、
これだけ豊かな国の国内問題に手を付けなかったのは当然ともいえる。
けれど、今回の震災は、
そのユニセフ協会も動かすほどに子どもへの影響が強いものだと判断されたのだ。
復興庁も、復興の目標の第1番目に、子どもの心を上げている。
阪神淡路大震災時に長田区に遊び場をつくった時には、見向きもされなかった子どもの心。
それが、本当に隔世の感だ。
それ自体は、大いに喜ぶべきことだと感じえいる。
しかし一方で、こうした子どもへの関心の向け方は、
日常的には子どもへの過干渉という現象を生んでいるようにも見える。
こちらは、決していただけるものではない。
この過干渉は、必ずと言っていいほど、子どもから「遊び」を奪う。

気仙沼の遊び場「あそびーばー」は、今度完全リニューアルすることになった。
今まで使っていた場の半分をその地主さんにお返しし、別の土地をお借りすることになるからだ。
荒田に仕切りなおすことがたくさんある。
地元に引き継いでほぼ1年。
こうした大きな転換は、自分たちで作ろうとする上ではいい機会になりそうだ。
津波を受けて浸水し、小学校にずっと間借りをしてきた幼稚園も、
この夏から新校舎に移って新たな門出を祝った。
新校舎は、あそびーばーのすぐ近くにある。
幼稚園の親子のかかわりなども期待でき、地元運営の新展開は、これからが本番だ。



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