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7月

2016年07月11日
6月14日、ユニセフハウスで、東北支援に関するシンポジウムを行った。
5年のうち、4年間は日本ユニセフ協会からの大きな支援を受けて走らせたプレーカー。
その軌跡と課題、成果について綴った報告書も参加者には配った。
(興味がある人は日本冒険遊び場づくり協会へお問い合わせください)
その報告書に収録されている、子どもの声の一部をお紹介したい。

「今日が生まれて、一番楽しい!」(小学生)
「こんなに自由に作ったり遊んだりしたの、生まれて初めてだよー!」(小学生)
「怒られないの?」(どろんこで遊ぶスタッフに:小学生)
「自由時間って、ありますか?」(小学生)
ここから見えてくる子どもの日常とは、一体どのようなものだろうか。

プレーカーは、カラフルに描かれた軽のワンボックスカーだ。
プレーキットと呼ばれる遊び道具が、そこに満載されている。
そこには、日常にない‶わくわく感″が満ちている。
とはいえ、所詮そこに収納できる程度のものでしかない。
たったそれだけのことで、
「生まれて一番」「生まれて初めて」という言葉が子どもから聞かれるのだ。
プレーカーに乗るプレーワーカーが話す。
「すごく楽しいって言われるのは確かにうれしいけど、たったこれだけのことだよ。
どれだけ子どもが日常的に遊べていないかっていうことだと考えると、頭にくる。」

ぼくたちが最初に手掛けた、気仙沼の常設の遊び場『あそびーばー』。
今はすっかり地元の方のものとして、地域の人たちで運営されている。
そこの代表である鈴木美和子さんにも、今回のシンポジウムでは話してもらった。
「震災から立ち直れず、貧しさの中であえいでいる家族がまだたくさんいます。
先日もあそびーばーでみんなでお昼をつくったときに、50円が払えなくて一緒に食べられなかった子がいました。
ぼくはいいんだ、そう言って、そこで摘んだつくしを炒めて食べていたのです。」
司会をしていたが、その光景を思い浮かべたら言葉が詰まってしまった。
けれど、もうひとつ思ったこともあった。
その男の子は、そういう話ができ、その姿を見せられる人がいる。
確かに経済的には貧困かもしれないけれど、その子の関係まで貧困なわけではない。
関係だけを見れば、むしろこの時代、豊かと言える可能性だってある。
それほど、現代は多くの人が孤立を深めているように思うのだ。

関係を豊かにする、遊びには、遊び場には、その力があふれている。
鈴木美和子さんは、その報告書への寄稿でこう結んでいる。
「遊び場の持つ力は、何とすごいことでしょう。遊び場は、子どもを甦らせる永遠の源です。」