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10月

2015年10月04日
この夏は、大きな災害が目についた。
8月末の台風に始まり、9月としては異例の長雨と降水量。
地域によっては、わずか数日で例年の9月の平均降水量を上回るなど、それによって土砂災害が列島各地で引き起こされた。
そのたびに、この地域で暮らす人、ことにお年寄りと障碍者、子どもはどんなにか不安だろうかと心が痛んだ。

ヒトをはじめ、地球に生物が繁栄することができているのは、地球が生きているからだ。
プレートテクトニクス理論では、地球の内部では巨大な対流が層をなして起きており、
その対流の上に乗っかっているプレート(地殻と呼ばれる大陸とか海の底の岩盤)は常に動いている。
その動きがぶつかり合い、プレート同士の摩擦が極限に達した時、はじけてあるいはずれて地震が起きると説明されている。

この内部の対流は、地球の中心が約5500度という高温であることから引き起こされている。
もし地球が死んでしまえば、この温度は限りなく下がり、対流もなくなる。
すると、地震が起きることもなくなるが、太陽風をまともに受けることになってしまう。
というのは、この対流が巨大なダイナモの役割を果たし地球の磁場を生み、その磁場が太陽風を弾き飛ばしているからだ。

とはいえ、視点をもっと広大に置くと、
この太陽風が太陽系以外のところから飛んでくる銀河宇宙線という強力な放射線を弾き飛ばしているので、
だから地球が守られてもいる。

太陽は海洋を温め、水が蒸発し、大気中を対流し、雲や風を生み、雨を降らす。
ここに地球の自転公転が加わり、地球規模での気象が生まれている。
当然だが、陸地に水を運ぶのは雨であり、雨が降らなければ、大地は乾ききり生命は絶滅するしかない。
そればかりではない。
海中で生まれたとされる光合成をする生物は、酸素を吐き、
それがオゾン層を作り紫外線をはじめとする太陽からの有害な放射線をブロックしてきた。
だから生物は上陸することができたし、繁殖することができたのだ。

すべてがつながり関連しあって、この地球上の生き物たちは命を連綿とはぐくんできた。
大地震も、大雨も、それは、命の創造のために不可欠な事象なのだといえる。
であれば、確実に起きるこうした自然現象から悲劇をなくすためには、
人の側がどう考え手を打つか以外には対応策はあり得ないということになる。

日本列島は、1億年後にはユーラシア大陸に押し付けられ、今のチベットのように盛り上がっていると考えられている。
そんなにも大きな地殻変動が予測されるにもかかわらず、半減期が何万年にも及ぶ核のゴミを生み出そうとする社会。
自然現象が「災害」とならないよう、人はもっと自然に謙虚である必要がある。