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5月

4月25日から26日にかけ、『こども環境学会』に参加した。
ぼくは分科会のコーディネーター兼発表者として出席した。
分科会のテーマは、「子どものあそび場とその充実」。
ぼく以外の発表者は、
宮城県石巻市を中心に活動する『NPO法人コドモ・ワカモノまちing』の、カービーこと星野諭氏、
岩手県釜石を中心に活動する『三陸ひとつなぎ自然学校』の黍原(きびはら)豊氏、
福島県福島市の温泉で有名な『NPO法人いいざかサポーターズクラブ』の、コッペこと佐藤耕平氏。
コッペは地元の人だが、僕を含むほかの3人は、震災後に他の地域から支援に入ったメンバーだ。

コッペは、飯坂の実情を率直に話してくれた。
福島の子どもに肥満が目立つという現状に、「被曝を恐れて外遊びをしない」からといわれるが、
原発の事故以前から子どもは外では遊んでいなかったこと、お菓子の購入が全国4位ということ、
こうした状況だったことに目を向ける必要がある、と。
低線量の被曝の影響などわからないことも多いけれど、それでも少しでも外で遊べる環境を整えたい、
遊ぶ環境さえ整えば、子どもは外で遊ぶと実感していると話した。

もちろん、外遊びを推奨する以上、被曝の問題は避けては通れない。
福島県は、県を挙げて外遊びの推奨をしており、そのモデル事業を定めて復興予算を当てている。
飯坂の取り組みもその事業に採択されており、ぼく自身もアドバイザーを勤めている。
アドバイザーを引き受けるにあたり県に条件として出したのが、県としての線量測定とその公表だった。
外遊びを親がどう判断するか、その材料を提示するための公表だ。
例えば外遊びをさせるかさせないかという2者対立の考えではなく、1日2時間までという考えもある。
そうした材料に、この線量計測と公表は欠かせない。

被曝の問題は、解明されていないことも多く、専門家の間でさえ意見が割れている。
僕たちは、実は太陽光線など日常的に被曝している。
しかし、自然界にある放射線とは付き合いが長く、ヒトに限らず生命体は一定の対応力を備えている。
問題なのは、原発などから作られる、自然界にはもはやほとんど存在しない人工の放射線にある。
これに対する耐性がどのくらいあるものなのか、それが分らないのだ。

もちろん、わずかであっても被曝は避けたほうがいい、それは事実だろう。
けれど、外遊びの持つ、子どもの発達に与える根本的な影響を知る僕は、
だから「外遊びをさせない」という判断には、重大な問題が残されるといわざるを得ない。
子どもが遊ぶという行為は、勉強と並んで語られることが多いが、そんなものではない。
むしろ食事と並ぶもので、食べなければ体が死んでしまうように、遊ばなければ心が死んでしまう。
ことに、外遊びはその中核を担うもので、僕は子どもの施策は屋外を中心にする必要があると考える。
外遊びができないという現実は、それ自体どういう問題を生み出すのか、僕は戦々恐々としている。
被曝の問題も外遊びができない問題も、かつて経験のない空前の現実だ。
誤解を恐れずにいえば、壮大な人体実験の真っ只中としか言いようがない。
今こそ恐れずに目をむけ、考え行動する勇気を大人は持たなければならない。
子どもの環境、その中で最大のものは、実は大人だからだ。



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