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8月

6月7日からの九州北部豪雨。
大きな被害を受けた朝倉市に、7月16日、ぼくはたまたま行くことが決まっていた。
朝倉でプレーパークをつくりたい、と行動を開始した市民から呼ばれていたからだ。
そもそもは、その隣の柳川市から初めに声をかけられたことによる。
柳川にもプレーパークを、という動きがあり、視察を兼ねて呼ばれていた。
だったら朝倉にも来てほしい、と。

柳川市は有明海に面しており、筑後川が海にそそぐ。
その有明海は流木で波打ち際が埋め尽くされていたが、直接の被害はないようだった。
上流に当たる筑後川の支流、その橋げたにこの流木が引っ掛かり、
ダムをつくり、流れをせき止め、そして甚大な被害を生んだ。
朝倉市の中心部は被害を免れていたが、支流を少し上がると風景が一変した。
40センチほどに育った稲を、田んぼごと埋め尽くす大量の土砂。
残った田んぼも、用水路が埋められているので水が引けない。
筑後川の支流とはいっても、グーグルマップで見る限りは名前さえ載っていない細い川だ。
その川と両側を走る道。
その痕跡など全くない、ただただ埋め尽くされた一面の土砂。
(「アルバム」の「2017/8」フォルダに写真があります)
おそらく、数メートルは堆積しているのだろう。
これって、撤去できるのか?無理だろう…?との思いが何度もよぎった。
一面の土砂からところどころに突き出す流木の山。
中には直径が40センチを超えるものすらある。
これらが、あちらこちらで流れをせき止めたのだろう。
その上流は、さらに土砂が高くなっていた。

いつもそうだが、災害の現場はそこに立たないと被害の実態が分からない。
テレビで見ているのだが、その規模は2次元画面ではどうしたって伝わらない。
今回も、愕然とするしかなかった。

けれど、その惨状にあり、今回はひとつ喜ばしい出来事があった。
避難所として使っていた公民館の中に、屋内遊び場ができていたことだ。
臨床心理士たちによるものだという。
公民館自体が日ごろから地域で運営されていたため、
避難所も地域で協力してスムーズに運営できているという。
その中での遊び場なので、子どもたちも安心できるという。
トラウマ体験がさまざまな症状を呼び起こす
PTSD(ポストトラウマチックストレスディスオーダー=心的外傷後ストレス障害)
と呼ばれる症状があるが、逆に、トラウマ体験を得たがゆえに成長することもあり、
これをPTG(ポストトラウマチックグロウス=心的外傷後成長)と呼ぶ。
「この子たちはそうした状況になれるかもしれない」と、臨床心理士は言っていた。
そういう、関係に支えられた避難所に巡り合うことができたのは、
子どもにとって不幸中の幸いだ。

この車を、熊本から朝倉に8月いっぱい貸し出すことがその後決まった。
朝倉の人たちは活気づいた。
ぼくの講演はさすがに中止となり気分的にも落ち込んだと言っていたが、
それでも予定通りぼくは行き、阪神や東日本でのことを話した。
「こんな時だから何とか自分たちも」と思った矢先の貸し出し申し出だった。
柳川の人たちも、できることがあれば協力する!と言い、
同じく福岡県宗像市で遊び場づくりを行うメンバーも、さっそく協力に動き出している。
遊び場づくりという、子どもの最高の笑顔を求めて活動を始めた人たちの、
つながりが繋がりを生んでいく。
こんなにうれしいことはない。

災害は、いつどこで起きるかわからないし、避けることも容易ではない。
この夏も、至るところで土砂災害や浸水災害が起きている。
けれど、そういう場面に出会っても、だからこそ、大人にとってもPTGとするチャンスだ。
今回のことは、改めてそう思わせてくれた。



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