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5月

不穏な空気が漂う。
言うまでもなく北朝鮮とアメリカを中心とした国際情勢だが、不思議なのは日本政府の対応だ。
ミサイル発射実験に、電鉄会社の多くが東京の地下鉄を止めた。
「やりすぎ」との批判もあるが、万が一にも、の事態を想定したことがわかる。
なのに、国は原発を止めない。
こちらは、万が一がさらに万が一にでも起こったら地下鉄とは比較にならない事態を招くというのに。

北朝鮮が「核」ミサイルを持とうが持つまいが、通常兵器のミサイルで原発を狙えば核爆弾投下に匹敵する効果を得られる。
もし自分が北朝鮮だったら、そして本当に戦争を辞さないとしたら、
米軍基地があるところと共に川内原発(鹿児島県)と玄海原発(佐賀県)をまず狙うだろう。
偏西風に乗った放射性物質は、中国からの黄砂が日本全国に降り注ぐように、数日中に日本全土を覆いつくすにちがいない。
日本列島を飛び越えたと報道があった弾道ミサイルの射程内にある原発は、これらだけではない。
島根原発(島根県)、伊方原発(愛媛県)。

特に伊方には、史上最も毒性が強い物質と言われるプルトニウムが燃料のプルサーマルがあり、
例えば、これを爆撃しただけでも効果は超ど級のはずだ。
福井県には高浜(含プルサーマル)、美浜、敦賀、ほかにも志賀(石川県)、柏崎刈羽(新潟県)もある。
これら全ての原発がやられたら、その地域の人はもちろん、日本には安心して住める場所はなくなるのではないだろうか。
これらの中には廃炉を決定しているところもあるが、短くても30年かかるといわれている。
しかも、核廃棄物の最終処分方法が、相変わらずに見いだせていない。
原発は、人里離れたところにある。
ミサイルで亡くなる一般市民は限られ、しかしダメージは壊滅的だ。
攻撃する側から考えれば、犠牲を最小限にして国際批判を極力抑え、しかも最大限の効果を得られる。
攻撃にはもってこいの場所だ。
こんなことは、ちょっと知識があればおそらく小学生だって思いつく。
腹の中に抱えた「核爆弾」を、政府はなぜ排除しないのか。

除染ができず、高線量のままの浪江町の山中。
4月29日の昭和の日、落雷によるとみられる山火事が発生した。
こどもの日である5月5日現在、いまだ鎮火には至っていない。
樹木に吸収された放射性物質は、燃えることによって濃縮される。
一般に、まきを燃やすと灰は100倍くらい濃縮されるらしい。
それが炎で舞い上がり、風に乗って広範囲を汚染する。
そんなことが起きてはいないか。
また、雨によって土壌に吸われ、何十年何百年もたって地下水として地表に姿を現すことだってある。
もちろん、放射性物質によっては、半減期はそんなものではない。
町は、この4月から帰還困難地域の一部を解除し、町民の中には帰町を開始している人も多くいる。
その人たちに、今度はきちんとこの情報は届けられているのだろうか。
空間線量等、この件について、都市部のニュースではほとんど報道されていない。

福島の子どもに有意に甲状腺がんが多いのに、原発との関連を、公式には一切認めていない。
それどころか、健診データそのものを系統だって集めようとしていないのだという。
原因を突き止める、そのためのデータそのものがしっかりとられていないとすれば、
これは何か意図的であると言われても仕方がない。

情報自体をそもそも集めない?し、集めても表に出さない?
国際NGOである「国境なき記者団」が毎年発表している「報道の自由度ランキング」というものがある。
180か国中、日本は前年の61位から72位へと大きく後退した。
おそらく、多くの国民の実感とも齟齬がないのではないか。

「昭和の日」に起きた、被災地域での一つの火災。
昭和という時代は、あらゆる意味で大変な転換期だったと言える。
後世に続く素晴らしいものをたくさん残したが、
第2次世界大戦という取り返しがつかない巨大な負の出来事からは、まだ全く学習が足りていないように思える。
「こどもの日」に、子どもたちに胸を張ってプレゼントできる社会、
さまざまな困難な状況にも遊び心を持ち、周りの人と力を合わせて楽しみながら乗り切る、
そんな社会を来年こそはプレゼントできるだろうか。



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